乾燥時のりんご園の潅水の仕方とそのタイミング

 令和元年の今年、青森県内では4月からまとまった雨が降っていないことから記録的な乾燥状態が続いています。

りんごは果樹であり、根が土壌深く入り込んでいるので、野菜などに比べると乾燥には強いですが、

それでも一定期間必要な降水量がなければ生育に影響を及ぼしてきます。

 それではりんごにとって必要な水分量や乾燥状態が続いた時の潅水のタイミングやその方法を紹介します。

 

<1日に消費される水分量は3~4ミリリットル>

 青森県黒石市にある研究所によると、りんごの樹が1日に土壌から消費する水分量は、降水量に換算すると

3~4ミリリットルとされています。

そのため、1日に5ミリリットル未満の降水量は有効な水分量としてカウントしないこととしています。

そしてこのような日数を”干天日数(かんてんにっすう)”と言います。

そしてこの干天日数が2週間以上続いた場合は潅水するように指導しています。

 

<潅水方法あれこれ>

りんご園の潅水する方法はいろいろあります。

 一番目は、用水路がすぐそばを流れているような園地では、その水を直接りんご園に引き込む方法があります。

この方法のできる園地は水田転作園などごく限られます。

 二番目は、普段薬剤散布に用いているスピードスプレーヤを用いる方法です。

これはスプレーヤで井戸などから水を汲み上げ、それを木の根元などにホースで潅水する方法です。

この二つの方法では、短時間に地表面に潅水することになりますが、なかなか土中まで沁み込むには時間がかかります。

寝際部の地表にスプレーヤのホースで直接潅水する方法

 三番目は二番目の方法と同じくスプレーヤで水を汲んだ後、ホースの先端に”土壌潅注器”という専用の

器具を着けて土中に直接潅注する方法です。

この方法では直接根が張っている土層に水が届くため、先の2つの方法に比べて水を吸い上げやすい状態になります。

土中に直接水を供給できる潅注器

土中に差し込む先端には4つの穴が開いており、ここから勢いよく水が出る。

潅注器で潅水する場合は、寝際部を中心に放射線状に数か所潅注処理するのがポイントです。

手間はかかりますが、根にとっては水分がすぐに吸収できる状態になるので、理想的な方法の一つです。

 四番目は潅水チューブを用いた方法です。

これはホースに空いた針状の小さな穴から少量の水が地表に潅水されるのですが、深部までじわりじわりと

水分がしみこむので、見た目の水分供給量以上に根が吸われやすい状態の潅水となります。

一説によると、点滴状に水分が地表に落ちる”ドリップ潅水”がもっとも土壌に水分が沁み込むという報告もあります。

潅水チューブを用いた方法では樹幹下や寝際部に直接水を効率的に供給できる。

潅水チューブに空いた針の穴くらいの穴からは、水圧で細い水が線のように出ているが、

この方法が土にジワジワ沁み込ませるには大変有効な方法です。

 

いずれの方法も、水の供給状況や施設設置費などの利点と問題点はありますので、

自分の園地条件に一番合った方法で乾燥による潅水対策をとるとようでしょう。

 

 

 

 

 

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