人気の“蜜入りりんご”を作るりんご生産者のリスク

(みんなが大好き“蜜入りりんご”)

 最近特に“蜜入りりんご”の人気が高まっていまして、“蜜が入らないとりんごじゃない!”とまで思っている方も結構いるようです。 

 この“蜜”についてはコラムの“りんごの『蜜』について”で詳しく紹介していますのでこちらをご覧下さい。 

 さて、みんなが大好きな蜜入りりんごですが、品種によって蜜が入る品種と入らない品種があるのですが、『ふじ』は比較的入りやすい品種です。 

 ですが、この蜜を入れるということは生産者にとってリスクを伴うことでもあるのです。 

 蜜が入るためにはたくさんの要因があるのですが、一番簡単なのは出来るだけ収穫を遅くするということです。 

 しかし、収穫を遅くらせるということは青森県の場合りんごが凍ってしまうというリスクを伴います。 

(2009年11月3日の様子)

 青森県(特に津軽地方)では例年11月にはいると、一度雪が降り、ご覧の通りの状態となります。そして中旬には本格的な寒波が入り込み、数日間も雪が降り続いたり、氷点下の気温が続きます。 

 りんごは氷点下2度くらいになると、表面の部分が凍り、氷点下6度くらいになると中心部まで凍ってしまいます。 

 凍った状態でりんごを収穫すると、とけたのち、りんご同士ぶつかったところが茶色く変色してしまいます。ですからとけるのを待ってから収穫しなくてはいけません。 

 また一日くらい、表面付近だけ軽く凍った場合はたいした問題もないのですが、果実の中心部まで凍った状態が1日以上続くと、とけた後の貯蔵中に蜜の部分がだんだん茶色く変色してくる障害が起こりやすくなります。 

 また、りんごが凍らない場合でも、蜜が入りすぎると、貯蔵期間が長くなるにつれて同じように変色するリスクがとても高くなります。 

 青森県以外のりんご産地の南の方にいくにつれてこうした心配は少なく、12月まで収穫を遅らせているところもありますが、こうした産地の販売は年内か長くても1月中には販売を終えるということで、こうしたリスクが起こりにくい条件があります。 

 青森県は他の県に比べて開花時期が遅く、また収穫までの期間も短いため、こうした短期間で蜜を入れるということは大変な技術なのです。 

 生産者も、たくさんのお客様に喜んでもらえるように蜜入りりんごを作る努力はしておりますが、『ふじ』の場合は特に“蜜入り”を作るためにはこうした大きいリスクもあるということをご理解いただければなによりと思います。 

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