同じ品種でもこんなに違う!≪着色系統≫について

 写真のりんごはすべて「つがる」という品種ですが、ご覧のとおり、色の具合がだいぶ違います。 

 これはりんごの枝が突然変異を起こし、同じ品種であっても、着色状態や、 熟度の進み具合、大きさなどに違いが出てくる「枝変わり」という現象のひとつです。 写真のように着色に変異を及ぼしたものは一般的に着色系統と呼ばれております。 

 さて、「つがる」着色系統について少し詳しく説明します。 

 まず、つがるという品種が品種登録された昭和50年当初、 この品種はきれいな色が着きにくいという欠点がありました。 そうした欠点を補ったのが、「みすず系」や「芳名系」といわれる着色系統の出現でした。 

 当初は、これらの系統でもだいぶ評価されていたのですが、 普通系のものよりも早く色が入ることから、なかには熟度が乗る前に、 色だけを見て収穫するということをする生産者も現れ、 また、市場で行われるセリではこうしたものに高い価格がついてしまうという、 あまり好ましくないことが起こりました(いまでもそうした傾向があるのが残念です)。 その結果、「○○系のつがるはマズイ!」という評判も流れだしました。 

 その後、一部の生産者や苗木業者など関係者たちは着色と熟度が一緒に進む系統を探しはじめ、 今ではいくつかの有望な系統が出てきました。 

 いま、わたしの園地でも「みすずつがる」、「丸吉つがる」、「ひらかつがる」、 「つがる姫」、「みすずつがるNo.8」の5系統を栽培しています。そのうちの3系統を紹介します。

 まずは「みすずつがる」。 
 先にも簡単に紹介していますが、この系統はつがるの着色系のなかでは古い系統です。 食味は申し分ないのですが、近年温暖化が進んできている中では色がつきにくいのが問題です。 色の入り方の特徴としては、シマ状に着色するということです。
 次は数年前から青森で話題になっている「ひらかつがる」です。 
 この系統は太く濃いシマが入るのが特徴ですが、味よりも着色が先になる「着色先行型」の系統と思っております。
 次はみすずつがるから更に枝変わりした「みすずつがるNo.8」です。 
 この系統は成り始めから数年は、写真のようにベタ状に着色しますが、枝がこなれてくると太いシマが入ってきます

 このほかの、「つがる姫」は縞状に着色し、熟度と着色が同時進行する系統と思われます。 もうひとつの「丸吉つがる」はどちらかというと着色先行型と思われます。 
 いくら品種や系統がよくても、それを生かすも殺すも生産者と流通関係者の考え方ひとつです。 外観もそうですがりんごは食べるもの。支持されるりんごの基本はやっぱり『味』だとおもいます。 

コメントを残す