早生品種“きおう”の自然落果の要因

 例年8月最下旬から9月10日頃まで収穫する早生りんごの“きおう”はこの時期の品種としては果汁も多く、食味が良いことから国内外で人気が高まっている品種です。 こんな人気の“きおう”が今年(平成26年)お盆頃からボタボタと自然に落ちる被害が県内各地で続出しております。

人気の早生黄色品種“きおう”

原因は“記録的な雨?”

 以下の写真は県内の主な被害状況の様子ですが、樹によってはほとんど落ちてしまっている状態のものもありました。 
 この落果被害の原因として考えられるのが8月上旬の記録的な降水量です。 今年(平成26年)は8月の6日から8日にかけて台風の影響もあって断続的に雨が降りつづき、6日には1日で128ミリを観測、8月第二半旬(6~10日)の降水量は黒石市にあるりんご研究所が昭和6年に観測を始めてから83年間で最も多い記録となりました。

平成26年8月18日平川市園地の被害状況

平成26年8月17日、旧岩木町園地の被害状況

 なぜ雨でりんごが落ちるのか。そのはっきりした原因は確認されていませんが、一般に云われるのが、土壌中の過度な水分によって根が窒息状態となり、根からの水分吸収と葉からの水分蒸散など樹体内の水分均衡化破れたこと、いわゆる“樹体ストレス”にあるとされています。 
 では他の品種が落ちないのに今回はなぜ“きおう”に落果被害が多かったのか? 
 その原因として考えられるのが写真の“内部裂果”という障害です。

ツルの付け根に横に入った亀裂が“内部裂果”

 この障害は、りんご生育のある時期の降水量が多いと、ツル元に亀裂を生じる“ツル割れ”という障害が多くなりますが、“きおう”はツル割れの前段階に起こる“内部裂果”という障害を起こしやすい品種で、この品種の場合内部裂果を生じると熟度も進みその結果、先の樹体ストレスと重なって落果を引き起こすことに繋がります。 
 内部裂果は外観から見分けることは難しく、少し色が早く着きはじめたもの(きおうの場合は早く黄色くなってきたもの)を判断材料にしています。 
 もちろん内部裂果が見られるりんごを食べても全く問題はございません。

 落ちてしまったりんごもったいないですね。

“ある時期”について  
 “ふじ”という品種だけで調査した結果ですが、満開日の71日後~120日(平成26年は7月21日~9月8日)の降水量が多いと“ツル割れ”障害が多く発生するとされております。この時期の平年降水量は凡そ200ミリですが、今年は8月17日時点ですでに293ミリを記録しているのでこのことが“きおう”の内部裂果を多く引き起した原因であると考えられます。  
 このままだと“ふじ”のツル割れも心配です…

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