春のこわい病害”モニリア病”

りんごを作るうえでとても大切なのは病害虫を上手に防除することです。
りんごに大きな被害をもたらす病気や害虫はざっと数えてもそれぞれ20~30種類は軽く上げることができます。
また、温かい長野県などの産地と、涼しい青森などでは、病害虫の種類や発生の仕方も違ってきます。

そんな病害虫の中でも、寒い地方に多いのが”モニリア病“という病気で昔は青森など冷涼な産地の風土病とまで言われました。

モニリア病の”株グサレ”症状。

この病気は春先から花が咲き終わる頃まで感染し、被害をもたらすこわい病気で、多発すると生産量にも大きな影響を及ぼします。

感染の原因は肉眼では見えないような小さなキノコから胞子を飛ばし、りんごが芽吹いたころから感染をはじめ、花が咲いている時にかけて感染のピークを迎えるので、発生が多いような園地では気をつけなくてはいけません。

実グサレの様子

写真は”実グサレ”という症状です。
真ん中の小さな実を見るとアメ色の露が出ていますが、中の実は茶色く腐ってしまっています。

この病気は冷涼で雨が多かったり、園地が湿っているような条件で発生が多くなります。
また、写真のような症状が見られた場合、これらを放っておくと地面に落ちて、来年以降の発生源なってしまうので、見つけ次第摘み取って園地の外に持ち出してきちんと焼却などの処分をしなくてはいけません。

摘み取った被害を受けた葉っぱや小さい実

ですから、芽吹いたころから花が咲くまでのおよそ20日くらいはしっかりした防除が必要なのですが、近年困っているのが、人手不足による管理が全くされていない放任園や管理の悪い粗相園、そして過剰な無農薬栽培信仰です。

写真は当園の3か所あるうちの一か所の園地で摘み取った被害を受けた葉っぱ等です。
前述したように放っておくとますます被害が増えるので、わざわざ摘み取らなくてはいけません。
実はこの園地のすぐ隣が粗放園で、病気や虫がとても多くて困っています。
趣味や専門的な知識もなく、無農薬栽培に取り組んでいる例が増えてきていて、こうして困っている生産者も増えております。

りんごを食べてくださっている消費者の方々にも、マスコミなどの一方的な無農薬栽培だけを鵜呑みにするのではなく、冷静な立場で改めて無農薬も含めて栽培方法に関心を持っていただくとともに、りんごだけでなく、食に携わるすべての生産者の中から、本当に正直で信頼される、生産者の仲間にも消費者にも支持されるような方を見つけてほしいと願っています。

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