果実の生理障害 つる割れはなぜおこるのか

 果実に起こる生理障害のひとつに「ツル割れ」があります。この障害はツルの元の部分に亀裂が生じるもので、 「ふじ」や「千秋」といった品種に特に多く発生しますが、「王林」や「つがる」「ジョナゴールド」には ほとんど発生しません。被害果は商品価値を下げてしまうことから生産者を悩ませています。 

 この障害については、原因がいまだはっきり解明されていませんが、 おおよそ次ぎの要因がツル割れ発生の原因になっていることが分ってきました。 それは、(1)8月(特に上旬)に降水量が多いこと(2)開花などの生育が早く、果実が大きいこと (3)樹勢が強いこと(4)有袋(りんごに袋をかける栽培方法)の果実よりも 無袋栽培(りんごに袋をかけない栽培方法)の果実に多いことなどです。 

 また、同じ「ふじ」でも着色の進み具合や色の質によって何種類もの系統に分けられていますが、 その中でも発生が少ないと思われる系統がありまして、現在青森県りんご試験場や (財)青森県りんご協会(私の勤めているところ)で調査中です。 

 その他にも、果実の成っている高さによる発生率の違いでは樹幹上部(1.5メートル以上)よりも 樹冠下部(1.5メートル以下)のほうが発生が多かったということや、園地の排水条件による違いでは、 排水が良い園地では10%以下なのに対し、悪い園地では10%以上、多いところでは30%以上発生した園地も見られたこと。 着果部位による差異については樹冠外部に少なく内部の下り枝、内枝に発生が多かったことなどがあげられます。 

 今後の課題としては、ツル割れの発生メカニズムの解明、ツル元にたまった雨水の影響、着果部位による違い、 成り枝の発生部位による違い、果枝の種類(短、中、長果枝)や太さによる違い、果台枝か否かによる違いなどがあげられております。 

 以上、気象的な要因や樹の生理など様々な要素が絡み合って起こるツル割れですが、生産者としては、 剪定を始めとした栽培技術で克服できないものかと、日々研究中なのであります。 

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