活力あるりんご樹とより高い品質を目指して 自家製 “牡蠣殻木酢(かきがらもくさく)” を考案・チャレンジ!

 牡蠣は1日240リットルの海水を吸い込み、海の栄養分を体内に吸収することから良質のたんぱく質やミネラルなどを多く含んでおり「海のミルク」と呼ばれるほどバランスの良い食品として知られています。

 牡蠣の身はもちろんですが、牡蠣殻にも微量要素と呼ばれるミネラル分が多く含まれており、その数はおよそ80種類以上といわれ、他の貝類の殻にはない優良な資材といえます。

 そんな牡蠣殻に含まれる成分のなかでも私が注目しているひとつがカルシウムです。 カルシウムは植物が生長する上で大変重要な養分で、不足すると多くの病気や生理障害を引き起こします。りんごでも“ビターピット”(詳しくはこちら)という果実障害が起こりやすくなります。また日本の土壌の多くは慢性的なカルシウム不足とも云われております。

 ただ、りんごの場合、カルシウム資材は土壌に施しても葉っぱや果面に散布してもなかなか吸収されにくく、樹体のなかでも殆ど移動しない養分で、そのため全国的に見てもカルシウムが不足している樹が多いと思われており、近年その傾向は高まっている気がします。

 そこで私が考えたのはカルシウムを何らかの方法で溶かして、樹体に吸収しやすい状態にしてやるということです。その方法として用いたのが炭を焼いた時に出る副産物の“木酢液”を利用することです。この発想となったのは卵を殻ごと食酢に漬けると気泡が出てきて2~3日で殻はすっかり溶けてしまうということを思い出したことです。また木酢液はその濃度の加減によって、病害虫の予防やそれらに抵抗力を高めること、生長促進などの効果が云われています。

 思い立ったら即実行ということで、平成27年4月16日、牡蠣殻に純度の高い木酢を入れると見る見るうちに泡が沢山出てきて容器から溢れかえってしまいました。間違いなく木酢液に牡蠣殻のカルシウム成分が溶け出している証拠です。私は数カ月漬けこんだ後で6月下旬頃からりんごの葉っぱや根に散布してみようと思っています。

(1)牡蠣殻資材(株式会社グリーンマンの蛎右衛門)と純度の高い木酢を準備。

 

(2)牡蠣殻の養分を保てるように処理された資材。

(3)容器に牡蠣殻資材を入れて木酢液を注ぎ込むと…

 

(4)見る見るうちに泡が! 牡蠣殻の成分が木酢液に溶けだしている証拠です。

(5)最後には溢れかえってまったので、急遽別な容器にも分けました。少し落ち着いてから数日後に更に木酢液をたしながら、イメージする牡蠣殻木酢液に仕上げたいと思っています。

 結果は分かりませんが私のイメージでは病害虫に抵抗性がある樹となり、カルシウム不足によって起こりやすいビターピットなどの生理障害にも良い効果が得られるのではないかと思っています。病気や生理障害についてはただ薬剤に頼るだけでなく、剪定による樹勢のコントロールを第一に、樹毎にあった施肥管理、そしてなにより条件が不利な時こそそれに負けない強い樹体を作ることにあると思っています。 
 常にアイディアと全知をつぎこんだりんご作りは楽しいものですよ。

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